2009/09/12

ファースト(仮) 14

はじめから
前回から


みんな香水をつければいいのに、とくに女性は、とよく思う。
確かに食事がまずくなるほど匂いを巻き散らしているのもいる。
でも香水使用人口が増えればそんなやつらは勝手に淘汰されていくはずだ。
そうやって「上手な香水の付け方」みたいなことが当たり前になってくれば、なおさらいい。

そう、近くにいてもほんのり香る程度なのに、すれちがってしばらくしても香りを残すような。
そんな香水の使い方をしている人だっているのだ。


とは言っても、こんなことを誰かとクソ真面目に議論したわけでもなく、煙草と一緒で「少しでも香水の匂いがしたらイヤ」という人もいるのかもしれない。


ただぼくは好きだ。

幼い頃、母と祖母によくデパートに連れられていったからだろうと思う。
二人の買い物を待つのは苦痛以外の何ものでもなかったが、その後におもちゃ売場でのご褒美が待っていた。香水や化粧品の香りは、その記憶を伴ってぼくを優しい、懐かしい気持にさせてくれる。


そんなことを考えながらエスカレーター横のフロア案内を見ていた。
すると不意にすごくいい匂いがしたので振り返ると、女性が一人エスカレーターに乗るところだった。

後ろ姿だが、かなり素敵な雰囲気。
ついつい彼女の後を追ってぼくもエスカレーターに乗ってしまった。


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